光インド第二弾 光いまだ旅立たず

三度目のインドということもあり航空券やビザの申請から鉄道などの感覚もあり滞ることもなく準備が進んでいました。しかし、あらかたの旅の準備ができたところで今回の旅のテーマを何にするのかに悩んでしまい荷物のパッキングを出発前日まで伸ばしていると、出発前夜まさかのパスポート紛失が明るみに出てしまったのです。あーなんて自分はバカなんだ。旅のテーマを悩んでいる場合じゃなかった。「信念も目的もないガンジースタイル」か「禁酒?禁煙?分煙なんてくそくらえ!理性を失ったヒッピースタイル」なんてどっちでもよかったのに。旅のテーマを妄想して楽しんでいるよりも、足元に旅に出られないという危険があったのに。これはまじでやばい!
と思ったら、リビングのベット下に「え?ずっといたけど。なにひとり焦ってんの?」とでも言いたげなパスポートを見つけ、インドに出発。
二つの旅のテーマは本当の本当にしょうもないので、帰国したら個人的に聞きに来てほしい。しょうもなさは保障するが、同時に最高の飲みにすることも保障しよう。ということでインドに出発。
ここまでに3回インドに出発したと話したが、実はまだ乗り換えの為に立ち寄ったマレーシアのクアラルンプールで34度を超える猛暑の中ホット・コーヒーを出されアイス・コーヒーが欲しいと要求すれば、アイス・コーラを出され自分の発音の問題なのかと少し戸惑いと落ち込みを感じながらアイス・コーラを飲んでいる最中なのである。
クアラルンプールに着陸した時の自分のテンションは最悪である。まさに憂鬱という言葉がぴったりである。望んで一人旅を選んだくせに一人であることにさみしさを感じているのである。思えば長期間の一人旅は初めてなのである。1回目のインド滞在はNICE経由で「インド ポンディチェリの北一キロの森」という何とも曖昧な場所(本当によくたどりつけたと思うが)で植林をしていた時は、何十か国という国から来た心優しきベジタリアン達と共同生活をしていたし、2回目のインド滞在においては二人旅だったこともありこの世界には日本人は俺達しかいないのではと勘違いしそうなほどだった。1人アイス・コーラをすすりながら、一緒にインドに行ってみたいと言っていたひなのを無理やり連れてくればよかったとか、コナキタバルに埋もれているTOMOKAを呼び出せればと願ってみるが、そうおもうたびに余計さみしさがこみ上げる。
空港でうじうじしていても仕方ないと決意し、クアラルンプールの中心街に出てみようと考え中心街行きの特急のチケットを買うと、片道1500円もするではないか。インドのホテル代3日分はするぞ。と追い打ちをかけてさらに気分は萎えまくっていた。
この旅始まっていらい最大の萎えを味わっていると(旅初日ではあるが) 台湾出身だという2組の女の子が近づいてきて超早口の中国語で話しかけてくるではないか。興奮しすぎて英語で話してくれと伝えているのを完全無視するほどだ。よくよく話を聞いてみると、自分が中国のアイドルにそっくりで間違えたのだそうだ。「お?」となる。これからどこの国を旅するの?とかどのくらい旅行するの?なんて基本的な会話を交わしたのち彼女らは去り際に「あなた本当にハンサムね!」と言い残していった。あ~一人旅ってなんて最高なのだろう。
マレーシアの空までが雲一つなく晴れて見えるのはきっと自分のおかげだと思う。足取りも軽くクアラルンプールの散策を開始した。